후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면
馬車がやって来た朝は、みんな運搬に急がしく、順一はとくに活気づいた。ある時、座敷に敷かれていた畳がそっくり、この馬車で運ばれて行った。畳の剥がれた座敷は、坐板だけで広々とし、ソファが一脚ぽつんと置かれていた。こうなると、いよいよこの家も最後が近いような気がしたが、正三は縁側に佇んで、よく庭の隅の白い花を眺めた。それは梅雨頃から咲きはじめて、一つが朽ちかかる頃には一つが咲き、今も六瓣の、ひっそりした姿を湛えているのだった。次兄にその名称を訊くと、梔子だといった。そういえば子供の頃から見なれた花だが、ひっそりとした姿が今はたまらなく懐しかった。……
「コレマデナンド クウシュウケイホウニアッタカシレナイ イマモ カイガンノホウガ アカアカトモエテイル ケイホウガデルタビニ オレハゲンコウヲカカエテ ゴウニモグリコムコノゴロ オレハ コウトウスウガクノケンキュウヲシテイルノダ スウガクハウツクシイ ニホンノゲイジュツカハ コレガワカラヌカラダメサ」こんな風な手紙が東京の友人から久し振りに正三の手許に届いた。岩手県の方にいる友からはこの頃、便りがなかった。