후리가나로 읽는 일본 고전
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なつ
夏
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 夏(なつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,046자 · 13화면
堪え兼ねてボーイを呼んで大きな氷塊を取寄せてそれを胸に載せて辛うじて不眠の一夜を過ごした。その時に氷塊を持ってぬっと出現した偉大なニグロのボーイの顔が記憶に焼きつけられて残っている。それから、ウェザー・ビュローの若い学者と一緒にあるいた。ある公衆食堂で昼飯を食ったときに「君、デヴィルド・クラブを食ってみないか」というから、何だと聞くと、蟹肉に辛い香料をいれてホットにしてあるから、それで「デヴィルド」だといって聞かされた。このワシントンの「熱波」の記憶にはこのデヴィルド・クラブとあのニグロの顔とが必ずクローズアップに映出されるのである。用事をすませてバルチモーアに立つという日に、急に「熱波」が退却して寒暖計は一ととびに九十五度から六十度に下がってしまったのである。
父が亡くなった翌年の夏、郷里の家を畳んで母と長女を連れ、陸路琴平高松を経て岡山で一泊したその晩も暑かった。宿の三階から見下ろす一町くらい先のある家で、夜更けるまで大声で歌い騒ぎ怒鳴り散らすのが聞こえた。雨戸をしめに来た女中がこの騒ぎを眺めながら「またお米があがったそうな」といった。聞いてみると、それは米相場をやる人の家で、この家の宴楽の声が米の値段のメートルだというのであった。