일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よるのくつ

夜の靴

横光 利一

横光 利一의 夜の靴(よるのくつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,056자 · 213화면

아오조라 문고

しかし、この村には眺望絶佳の場所が一つある。そこが眼から放れない。その一点、不思議な光を放っている一点の場所が、前から私を牽きつけている。

それは私の部屋から背後の山へ登ること十分、鞍乗りと呼ぶ場所だ。そこは丁度馬の背に跨がった感じの眺望で、右手に平野を越して出羽三山、羽黒、湯殿、月山が笠形に連なり、前方に鳥海山が聳えている。そして左手の真下にある海が、ふかく喰い入った峡谷に見える三角形の楔姿で、両翼に張った草原から成る断崖の間から覗いている。この海のこちらを覗いた表情が特に私の心を牽くのだが、――千二百年ほどの前、大きな仏像の首がただ一つ、うきうきと漂い流れ、この覗いた海岸へ着いた。それに高さ一丈ほどの釈迦仏として体をつけたのが始まりとなり、以来この西目の村の釈迦堂に納ったのみならず、汽車で遠近から参拝の絶えぬ仏となった。どこかビルマ系の風貌だが、この仏を信仰するものは米に困らぬという伝説があって、平和なときには毎日堂いっぱいの参拝人だとのことである。米作りの名人久左衛門の小舎の笹巻の味もこの仏像の余光を受けて繁昌した。それもこれも、すべてはこの海の表情の中に包み秘められている絶景だ。