후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 夢殿殺人事件(ゆめどのさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,755자 · 55화면
それが恰度、爐中さながらにうだり切った八月十三日午後三時の陽盛り――事件発見から数えて、その二時間に当っていた。
扨ここで、寂光庵に就き掻い摘んだ説明をして置こうと思う。この尼僧寺は、婦人の身で文学博士の肩書を持ち、自ら盤得沙婆と号する工藤みな子の建設に係わるものであって、あまねく高識な尼僧のみを集め、瑜伽大日経秘密一乗の法廓として、ひろく他宗に教論談義を挑みかけていた。所が最近になって、この異様な神秘教団に不可解な人物が現われた、と云うのは、推摩居士と称する奇蹟行者の出現だった。それが奇怪至極にも、尼寺の鉄則を公然と踏み躪っているばかりではなく、推摩居士は竜樹の再身と称して、諸菩薩の口憑や不可思議な法術をも行い、次第に奇蹟行者の名を高めるに至った。しかも、それ等一切の行を御廉一重の奥で行って、決して本体を見せなかったのであったが、それが却って、神秘感を深める効果ともなって、渇仰の信徒が日に増し殖えて行った。その矢先折も折から、到底この世にあろうとは思われぬ不可思議な殺人事件が、寺内の夢殿に起った。そして、端なくもそれが起因となって、推摩居士の本体が曝露されるに至ったのである。