일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あやかしのつづみ

夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓

夢野 久作

夢野 久作의 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓(あやかしのつづみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,558자 · 153화면

아오조라 문고

と云った。何のために東京駅へ行くかわからないまま……。

「九段じゃないのですか」と若い運転手が聴き返した。私は「ウン」とうなずいた。

私の奇妙な無意味な生活はこの時から始まったのであった。

東京駅へ着くと私はやはり何の意味もなしに京都行きの切符を買った。何の意味もなしに国府津駅で降りて何の意味もなしに駅前の待合所に這入って、飲めもしない酒を誂えて、グイグイと飲むとすぐに床を取ってもらって寝た。

夕方になって眼が醒めたがその時初めて御飯を食べると、何の意味もなしに又西行きの汽車に乗った。その時に待合所の女中か何かが見覚えのない小さな鞄を持って来たのを、

「おれのじゃない」

と押し問答したあげく、やっと昨夜鶴原家を出がけに兄が自動車の中に入れてくれたものであることを思い出して受け取った。同時にその中に紙幣が一パイ詰まっていることも思い出したが、その時はそれをどうしようという気も起らなかったようである。

汽車が動き出してから気が付くと私の傍に東京の夕刊が二枚落ちている。それを拾って見ているうちに「鶴原子爵未亡人」という大きな活字が眼についた。

▲きょうの午前十時に美人と淫蕩で有名な鶴原子爵未亡人ツル子(三一)が一人の青年と共に麻布笄町の自宅で焼け死んだ。