후리가나로 읽는 일본 고전
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おおいがわおくやまのはなし
大井川奥山の話
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 大井川奥山の話(おおいがわおくやまのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,724자 · 20화면
すると西南に開けた高原状の草地に生えている天狗樺(田代方面の称呼)や偃松の茂みから、忽ち大砲弾でも破裂したように、褐色の一団がドッと飛び出した、熟視すると八、九頭の鹿の群である。天外の楽園にまどかな昼寝の夢を破られた彼等は、不意に闖入して来た人間の声や姿に、どれ程驚かされたことであったろう。あとから登って来た雄吉は「鉄砲がありゃなあ」と独言をいいながら、残惜しそうに其跡をながめていた。
北に向って偃松の中を下って行くと、間もなく薄暗い黒木の中に取り込められて、幾度か路に迷わされた。やっと国境の大尾根を探り当てて、下り切ると易老岳までは登り一方である。信州に踰える間道は此山の南を通じている。もうそろそろ野営地を探さなければならない時刻なので、易老岳を北に下った泥田の様な所から、東に窪を下りてガッチ河内の上流大春木沢の畔に野営した。二年前に中村君が泊った跡である。頭の上は烟も抜き切れない程に枝と枝とが組み合った白檜の密林である。宵に外を覗くと、月の面を掠めてドス黒い雲が頻りに東の方へ飛んで行く、心配な天気になって来た。それでも夜明までは星も見えていたが、朝飯を済して出懸る頃に、谷の空が硝子に息を吹き懸けたように曇り始めたかと思うと、忽ち濛々とした霧の中に閉じ込められて、間もなく冷たい雫がパラパラと落ちて来る