후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면
それを道庵先生が聞くともなしに聞いていると、いずれも熊谷次郎に関する話で、なんでもこの若い人たちは演劇の作者連で、旧来の一谷嫩軍記では満足ができないから、直実に新解釈を下したものを書こうとして、わざわざここまで調べに来たものらしいのです。そこで道庵先生もその心がけに感心し、なお頻りに団子を食べながら若いものの話を聞いているうち、先生が早くも釣り込まれてしまいました。
「時に、皆様や」
たまり兼ねた先生が、若いのへ口を出しかけると、先方で、
「何ですか」
「承れば、あなた方は熊谷次郎直実公の事蹟を調べ、演劇にお作りなさるそうですね」
「左様……少しばかり書いてみたいと思って、遊びに来ました」
「それは結構なお心がけで……拙者も、こう見えても芝居の方が大好きでございましてね、ことに熊谷とくると夢中でございます」
「そうですか」
「しかし、あなた方のような血のめぐりのいいお若い方とちがって、この通りの頭でございますから……」
道庵先生は、ちょっと自分の頭の上へ手をやって、くわい頭を摘んで見せました。
「どう致しまして」
若い劇作家連も、道庵の髪の毛をつまんだ手つきを見て、仕方がなしに苦笑いを致しました。