일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면

아오조라 문고

凡庸なる科学者を名画の前へ連れて行くと、心得たりとばかりに画面へ顔を摺りつけながら、天文学で使用するような拡大鏡を取り出して両眼に当て、画面の隅々隈々までも熱心に見つめる。そうしていう。この線とこの線の間は何ミリメートルある、この紙質は植物性のもので耐久力は何年、この墨を分析してみると成分はこれこれ……というようなことを、おどろくばかり精密に教えてくれる。しかし、最後に、「して、いったい、この画は何を表現しているものですか」とたずねてみると、その科学者がいう、「あ、それには気づかなかった……」

つまりこの科学者は、その絵の全体が、道釈だか、山水だか、人物だか、最後までわからなかったのです。

これは凡庸なる科学者の罪ではない、遠く離れて画を見ることを知らなかったその罪です。

道庵先生が、米友に向って、神を拝むには離れて拝めと教えた秘伝も、或いはその辺の理由から来ているのかも知れません。

しかし、医者はその職業の性質上、科学者でなければならないことを知っているはずの先生ですから、科学を軽蔑するつもりはないにきまっている。近く寄って見ることを悪いとはいわないが、遠く離れて拝むことを忘れてはならないとの老婆親切かも知れません。