후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
と言いました。
その夕日屋の大きな店は酒屋でしたが、この家で造り出す酒の名前を見ると、その頃の銘酒の名前を幾つも取って、それを自家醸造の如く拵え、それにガラクタ文士を買い込んでしきりに能書を書かせている。
人の評判を聞いてみると、この店では、いい酒を盗んで来ては、恥知らずの雇人共に金をあてがって、それに水を交ぜて売り出しているのだという。
ともかくも夕日屋といえば、町内でも一流の老舗であるのが、こういう卑劣な商売の仕方をするようになったのは、つまり番頭に人物がいないからだ。
良酒を取って来て、それに水を交ぜてごまかして売り出そうなぞは、三流四流の商店でも潔しとはしないのに、夕日屋ともいわれる大店がそれをやり出すに至っては、その窮し方の烈しさに腹も立たないで、涙がこぼれる――と噂をするものもある。
ともかく、道庵先生は有名な飲み手だから、まあ人間の口で飲める酒はたいてい飲んでいるし、その味もよく知っているのだから、ここへ並べた詐欺物の酒の看板を見ると、ゲラゲラと笑い出し、
「箆棒様、よい酒が飲みたけりゃあ、よい酒を作って競争するがいいじゃねえか、よい酒を作るだけの頭もなく、作らせるだけの腕もなく、しょうことなしに、どぶの水を持って来て引掻き廻させようなんぞは、吝ったれでお話にならねえ」