후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
だが、幸いにして駒井甚三郎は、この時世を充分に見ていながら、病気にもならず、憤死することもないのは、要するに、前途に洋々たる新しい世界を見、その世界に精進する鍵を、自分が握っているとの強い自信があるからです。
その洋々たる新世界とは何――それは海です。海は地球表面の七割以上を占めて、しかもその間には国境というものがない。
その鍵とは何――それはすなわち船です。
この日本は美国ではあるが、この美国を六十にも七十にもわけて、三百人もの大名小名どもが食い合っていて何になる。
駒井は今、その海と船との信仰に、全身燃ゆるが如き思いを抱いて、万里の海風に吹かれながら、黄昏の道をおのが住家へと戻って来ました。
駒井甚三郎は燃ゆるが如き熱心を抱いて、わが住居へ帰って来ましたが、金椎を呼んで夕飯を取る以前に、自分の居間へ入ると、燭台に蝋燭の火をつけて、かなり疲労していた身体を、いつもするように、ぐったりと寝台の上へ投げかけようとして、蛇でも踏んだもののように、急に立退いてしまいました。
忘れていたのです。自分の寝台は、それよりズット以前から人に占領されていました。