후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,467자 · 168화면
それにしても、お銀様の知識というものは、単に普通の人のする読書や見聞から来る知識以上に豊富なものがあり、また同時に読書の知識と、旅の実際とを考証してみることに、少なからぬ興味を持っていたものですから、到るところの名所古蹟に対する予備知識に加うるに、その土地土地に於ての参考資料をおろそかにはしなかったのです。
名古屋にいる時にもうすでに、関ヶ原に関する史料を相当にととのえて持っていました。いま関ヶ原軍記を繙いているのは、明日は指呼歴々の間に、軍記の示す配列を実地に眺めようとの下心に相違ない。
だが、お銀様の関ヶ原に興味を持つのは一日の故ではない――お銀様は関ヶ原合戦の歴史に於て、どうしたものか、西軍に同情を持っている。石田、小西に勝たせたいという贔屓が、物の本を読むごとにこみ上げて来るのを如何とも致し難い。それだけに家康を嫌います。或いは家康を虫が好かない故にこそ――西軍に贔屓が出るのかも知れない。けれども、あの時に於て、お銀様の贔屓とか、興味とかいうものが、石田、小西に集中しているわけではない、その人は別にあるのです。
およそ関ヶ原軍記のうちに、お銀様をして、この人こそと、無上の共鳴と、同情と、贔屓を与えている人がたった一人あるのです。