후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,467자 · 168화면
刑部少輔吉隆は、それを聞いて、暫く打吟じて思案に耽っていたが、
「よろしい、然る儀ならば、これより佐和山の城へ同道いたそう」
と言い切って、面を上げた大谷刑部少輔の崩れたその顔面。深い覚悟の程も、思い切った表情の程も、その崩れ爛れた面には、更に現われてこないことが悲惨である。それをお銀様は悲惨として見ないで、かえって自分の顔として見ているようです。
石田治部少輔三成のために――単なる一友人であるところの石田のために、せっかく越前の敦賀から踏み出して来て、江戸の家康の手にはせ加わって、会津の上杉征伐に向うつもりとばかり期待して軍勢を引連れて出て来た身が、ここでガラリと向きをかえて、江州なる佐和山の城――つまり石田の居城への招請を甘んじて引受けたこの名将の心理が、少しもその顔面の表情に現われてこないことを、お銀様だけが痛快に感じ、その崩れかかった顔面の中に大谷吉隆を見ないで、かえって自分の面体を見て、お銀様の心がよろこび躍りました。
舞台がそこで暗転の形となる。
十九
ここはいわゆる佐和山の城の大広間であろう。大谷刑部は以前と同じ姿形で一方の敷皮の上に胡坐している。