후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
「だいに様――有名なお方ですよ、ここから遠くないところにお墓があるはずです、お前さん、そこへわたしをちょっと案内して下さい」
「だいに様――わしゃ、そういうお方を存じませんが」
与八は、真に当惑面で答えました。お婆さんから突然に、だいに様、だいに様と問われても、いっこう自分には心当りがないので、お婆さんだけが、ひとりのみ込みであるとは思うが、しかし、他国から来た人がこうして、だいに様、だいに様と無造作に問いかけるところを以て見れば、あまねく世間が知っている名前に相違ない。ところが与八は一向それを知らない。
人が知っていて、与八が知らないことは、だいに様に限ったことはない。現に木喰五行上人のことなども、与八はいっこう知らない間に人が知らせてくれた。自分は武蔵の国から出て来て、いま隣国の甲斐の国にいることだけは知っている。甲斐の国へ来て知っている人といえば、自分の身辺に触れて来た人のほかには、古いところで武田信玄公――そのほかには、ちょっと与八の頭では思い出せない。思い出せば水晶ぐらいのものです。
そこで、だいに様のお墓といって、お婆さんから先刻御承知のもののように尋ねられて、つかえてしまったのは是非もないので、まことに済まない面をして与八が次の如く申しわけをしました。