후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,374자 · 345화면
「お松さん、私は、つくづく君に済まないという考えが、このごろ漸く起りました、遅いことでした」
「何をいまさら改まって、そのように仰せられますか、わたくしにはわかりませぬ」
「あなたが忠実に働いてくれればくれるほど済まない、思えば、私は、あなたを忠実な秘書であり、助手であるとしか認めていませんでした、お松どのという存在は、ただ駒井の研究を助けてくれる得難き道具として――道具というのは少し言いすぎかも知れませんが、最も善い意味で、そういう取扱いが当然だという心得のみで、それ以上には考えることもしませんでしたが、今、考えてみると、あなたも女でした」
「何とでも仰せあそばせ」
お松は、駒井の率直な言いぶりに、挨拶の言葉を見出せなかったのです。駒井は、言葉をつづけて言いました。
「あなたも女です、今ここに女性として、私の親近の一人を見ていますと、その女性は、娘盛りという、人生に二度とない花の時代でした、ああ、それを自分は、ただ自分の助手としてのみ、便利有用なる道具としてのみ認めて、女性として、娘ざかりとしての、あなたというものを見て上げることができなかった、むしろ、その余裕を今日まで持ち得なかったということに、大きな慚愧を感じました、己れというものに熱中している間に、知らず識らず人を犠牲にしていた大きな罪を、覚らずにはいら