후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,374자 · 345화면
とお松が言い出でたのを、駒井は素直に受入れました。
「なるほど、それもそうですね、夜露が毒とも思わんけれども、帰って、仕残しの仕事もある、そなたの言う通り、だまってこのまま引上げた方が、多数の興をさまたげないで済むというものだ。では、一緒に帰るとしましょう」
「そうあそばしませ」
駒井はお松を伴うて、椰子の林の木蔭を、新館への帰途につきました。
その時に、お松は、なんとも精一杯に自分の胸が躍動するような心持になりました。
この主人を、送り迎えに立ったことはこれまで幾度、室を共にし、事を共にし、職務以外には何の雑念もなかった身が、今宵は躍る心が怪しくも狂います。
お松としては、今までにほとんど感じたところのないほどの、強い充実味にぐんぐんと引きしめられる。ただ何とはなしに生甲斐があるというような心持、女としての充実した喜びが海の潮のように迫るを感ぜずにはいられません。今までは、いつも神妙に、後ろに従って主従の謙遜を忘れなかった身が、今晩はぐんぐん押しきって、この人と並んで語りたい、押並んで歩きながら、思う存分に話したい、という気分に満ち溢れていました。