후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 285,635자 · 558화면
この大衆の文字が、少なからず道庵先生をなやませました。
そうだ――おれは大衆という文字を、一途に坊さんの方へばかり引きつけていたのがよくない。外典のうちに、つまり漢籍のうちにも、この大衆という文字はないことはなかろう。まてよ、いま、天性備えつけの百味箪笥を調べてお目にかけるから――
道庵先生は、自分の頭の中の百味箪笥をひっくり返して、しきりに調べにかかったが、結局、ドコかでその大衆という文字を見たことがあるように思いました。
尚書ではなし、礼記ではなし、四書五経のうちには、大衆という文字はねえ……してみると、諸子百家、老荘、楊墨、孟子、その辺にも大衆という文字は覚えがねえが……でも、どこかで見たようだ。左伝か、荀子か……
実によけいな心配をしたもので、お手前物の百味箪笥の引出しをいちいちあけて、薬を調べるような心持で、僅か大衆の一句のために、道庵先生が苦心惨憺をはじめました。
宇治山田の米友においては、一向、そんなことは苦にしていない。
彼は精悍な面魂をして、多田嘉助が睨み曲げたという松本城の天守閣を横に睨み、
「何が何でえ、ばかにしてやがら」
という表情で、松本平の山河をあとにして歩みました。