후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
「友様、しっかりしな、ウソだよ、ウソだよ、ありゃ伊勢の国じゃねえんだ、まあ、こっちへ来な、こちらの方の、もっと景色のいいところをただで見せてやるから」
と言ったが、もう追っつかない。今更そんな子供だましの気休め文句を言ったって、焼石に水です。
「うーむ」
この時、もう胸から上が、窓の外に出ている。
「いけねえ」
道庵は必死にしがみつきました。
それを物ともせずに、米友は、じりじりと窓の外へ身を乗り出す。その眼は鈴鹿山から伊勢の海あたりをながめながら、その面は朱のように赤くなって、そうして、口から泡を吐いている。
どうするつもりだ、何かの無念と、過去の惨酷なる思い出のために、この男は正気を失って、ここから落ちることを忘れているらしい。道庵の言う通り、落ちれば下にきまっている。いくら米友の身が軽いからといって、上へ落ちる気づかいはない。
落ちたところ――かりにこの出来事が、天守の五重目の上とすれば、石垣が東側の地形から土台まで六間五尺あって、北西の掘底から、土台までは十間あり、天守は土台下端から五重の棟上端まで十七間四尺七寸五分あり、東側から地形は棟の上端までは二十四間三尺二寸七分あるから、いくら米友の身が不死身に出来ているからといって、もともと生身を持った人間のことだ、この高さから下へ落ちては、たまるものではない