후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
清吉は朴訥な男、造船工事では自分の右の腕としていた男だが、あの際に、行方を見失ってしまった。死んだものなら、死んだと見きわめをつけるべき一品の証拠でも出て来たのなら、まだあきらめもあるが、それすら全く無い。今以て、寝ざめの悪いことである。万々一、マドロスが、あの轍を踏んで、あの時とは場合も違うし、清吉と、マドロスとは、性格に於ても比較にならないが、それでも、万々一……清吉のことを考え出してみると、駒井も、マドロスのために不安がこみ上げて来ました。マドロスそのものを、ああして不親切にしておくことは、清吉のために済まないような気もする。
今となっても一向、マドロスの帰って来た模様はない。まだあのままで酔倒の夢がさめないのだろう。そこで駒井は、狼に食われはしないかと言った茂公の言葉までが気にならないではない。
「よし、それでは、もう一度見届けて来てやろう」
多少の責任感のようなものに迫られて、駒井は寝室に入ってねまきを着ることの代りに、刀架に置いた刀をとって差し、陣笠をかぶり、鞭をとって、音のしないように、この家の外の闇に出てしまいました。
たった一人で、提灯もつけずに、この闇の中を駒井は、静かに先刻のマドロスの酔倒していた路傍のあたりまで進んで行って見ました。