후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
やがて、さまで大きからぬ古寺の門前。
たしかにここだ。
ここに堀があって、そこに門があって、宝塔があって、護摩堂があって、突当りが本堂で、当時、自分が御厄介になったのは、あの地蔵堂の下で、わざわざ朝飯の御馳走をしてくれたのは、護摩堂の後ろの小さな家にいる老夫婦だった。
ははあ、それではこの寺が「笠寺」といったのか。
今日この頃も、いろいろ心配はあるが、あの時に比べれば、頼るべき人と、宿るべきところに事を欠かないだけが、せめてものましというものか。しかし、あの時、東をめざして進んで行った憂き旅の間にも、何か希望のようなものが前途にあって、旅は辛いながらも、何かの力にグングン押されて行くような気がしないでもなかったのに――今、旅路の不安というものが消滅した身でありながら、憂愁の重いこと――米友は、わが身でわが身がわからないといったものです。
あの、親切な老夫婦でもいたら、昔のお礼を言っておこうか知ら――それとも言わない方がいいか。昔のお礼を述べるからには、自分というものが、多少飾りになるほどな出世をしているとか、心ばかりの土産物でも携えて来ているとかならばいいが、こんな様子で突然、昔を名乗ってみたところで、また一飯にありつきに来たのか、そうそうはいけねえ、もう行っちまえ、なんぞとあしらわれてはたまらない。