후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면
なに、天下の相国の寵愛を一身に集めたその時のわたくしたちの運勢で申しますと、こんなことは数にも入らないほどの仕事でございました。わたくしはただ、ほんのお義理をしてやる程度の思いで、自分では忘れてしまっていたくらいの仕事が、どうでございましょう、今日になって見ると、わたくしの一生のうちの最も大きな、そうしてただ一つの功徳の記念となって、永久に残されることになりました」
美人は、今となってはじめて、その当初には思いも設けなかった、自分のした仕事のうちの最もささやかなことの仕事の一つに、自分のあらゆる生活の最も大きな意義を見出したかの如く、惚々とこの池の水を見ていましたが、やおら立ち上って池のほとりをさすらいはじめました。
「坊ちゃん、こっちへいらっしゃいな」
しなやかな手を挙げて、沈勇な少年を小手招ぎをするのです。
少年は、そのしなやかな誘いに応じて行きたくもあるし、母の手前をも憚っていると、美人の姿は飄々として池畔をあちらへ遠ざかり行きながら、その面影と、声とははっきりして、
「ねえ、坊ちゃん、あなたのこれから頼ろうとなさる御親類の方が、この後、たとい太政大臣におなりあそばし、或いは摂政関白の位におのぼりになりまして、従って、あなたが大名公家に立身なさろうとも、それは、あなたの幸福ではありませんよ。