후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 319,771자 · 617화면
「そうかね」
そこで、再々安心して、行手に向って歩みをつづけましたが、その軍歌の声は、いよいよあざやかに耳に落ちて来る。弁信の言うには、一所に停滞した声で、前進の迫力の声ではないとのことですけれども、米友の耳で聞くと、刻一刻に自分の耳元に迫って来て、いよいよ近づいて、いよいよ冴えて来る。どうして、あちらから歩武を揃えて堂々と前進し来る合唱でないとは言われません。そこで、米友が再び迷うて、弁信に向って駄目を押しました、
「弁信さん、大丈夫かエ、軍歌が、だんだんこっちへ近づいて来るような気持がするぜ」
「え、それは耳のせいと、風向きのせいでございましょう、実は以前と少しも変っておりません、鳥羽伏見あたりで稽古をしているのでございますよ」
「鳥羽伏見てのは、いったい、ドコなんだ」
弁信が、ひとり合点で言うものですから、米友が、確とその地理学上の根拠を突きとめようとしました。鳥羽は京都の南部に当り、伏見はこれよりやや東に隣り、道のりでは四里八町ということになっているけれども、距離はいずれこの地点から三里内外。
ところで、二人は追分から、右へ伏見道へそれず、山科に入り、四宮、十禅寺、御陵、日岡、蹴上、白川、かくて三条の大橋について、京都に入るの本筋を取るつもりであろうと思われます。