후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 319,771자 · 617화면
有名といったからとて、この冊子に於ての相当の有名だけであって、ここで、フリの客に、轟の源松と名乗りかけたからとても、誰でもそれと知っている名前ではない。
「ナニ、目明しの文吉――というのがお前の名か」
と、前なる黒頭巾が聞き耳を立てて、駄目を押すと、
「いいえ、目あかしの文吉じゃございません、轟の源松と申しまして、渡り者のケチな野郎でございます」
「ははあ、轟の源松」
その名を繰返しながら、二人は見た目には主従の形で、すれつもつれつ前へと歩みます。
三十
轟の源松なるものは、手の利いた岡っ引である。江州長浜の夜で、宇治山田の米友を相手に、あれほどの活劇を見せたが、本来、この辺の地廻りではない。特に天下の老中差廻しで、お膝元の大江戸から派遣せられたものであってみれば、草津や長浜の町が、その腕の見せ場ではないはず。米友やがんりきだけが当の相手ではあるまい。あれらは、ほんの道中の道草の小手調べ。されば、あれから農奴が膳所藩の曝し場から、なんらかの手によって奪われて行方不明になったにしてからが、また、その曝しの現場を見て、挙動不審で拘引を試みようと思った旅のやくざ者を、上手の手から洩らして、ちょっと歯噛みをさせられたにしてからが、その執念のために、京都から進入して、もっぱらこれが追跡に当るほどのことは想像