일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 319,771자 · 617화면

아오조라 문고

或いは昨夜、斎藤がしたように、人物論から時世論に及んで悲歌慷慨して声涙共に下るものもあるかと思えば、芸術談に花が咲くこともある。芸術談というのは、むろん武芸十八般に関することで、それには思わず竜之助も釣り込まれることもあるが、そうかと思うと、聞くに堪えない猥談に落ちて行くこともある。それは王侯貴人の品行のことだの、市井の三面種に及ぶまで、思いきって内秘を発き立てて、汚ない哄笑で終ることもある。そういうような空気であったのに、今日は――ではない、もう今宵と言っていい時刻なのに、人っ子ひとり来ない。つまり、出て行った壮士は一人も帰らず、とぶらい来る風客というものも一人も見えないのだから、空気が手持無沙汰で、人にとっては一種の荒涼な気が襲って来るのです。

それでも、常の通り、ちゃあんとお茶弁当の接待は整っている。竜之助は部屋の一隅の洗面所へ行って、簡単に洗面を果してから、ひとりその食事にとりかかりました。

弁当を食べ、お茶を飲み了るまでに相当の時間を費したけれども、誰もまだ一人も帰って来ない。

「壮士ひとたび去ってまた帰らず――か」

竜之助は、思わずこんな独り言を言うほどに、心に荒涼を感じました。