후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,601자 · 387화면
その男が一歩進めば一歩進むほど、ムクの気勢が荒くなるのでありました。
いかなる人が、どんな異様な風采をして来ようとも、ムクは眠れるものの如くして、嘗てそれに吠えついたことはないのに、今は全くそれと違いますから、
「この犬は気が違ったのではないかしら」
お玉も来る人に気の毒でたまらない。洪水の中をやっと泳ぐようにして行商体の男は、ムク犬の鋭い威勢を避けながら、お玉のいるところへ来て、
「お早うございます」
「お早うございます」
人間同士はあたりまえの挨拶をしたけれども、犬は人間の間に立ち塞がって、強弩の勢いを張っておりました。
「たいへん強そうな犬でございますねえ」
行商体の男はお世辞を言って、縁側へ腰を下ろしてしまいました。
「いつもこんなに吠えるのではないのですけれど……ムク、なぜそう聞きわけがないのです」
お玉は言いわけをしたり、叱ったりしながら、いま金ちゃんの母親に見せた印籠やなにかを包みに蔵おうとすると、
「ちょいと拝見、結構な印籠でございますね」
行商体の男が手を差伸べると、なお頻りに唸りつづけていたムクは、急に身を翻えして家の土間を潜り抜けて裏手の方へ飛んで行きましたが、そこでまた烈しく吠えます。