후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 214,131자 · 423화면
「ああムクが繋がれている、ムクは強い犬だ、誰か行って鎖を解いてやらなくては焼け死んでしまう、かわいそうに、誰かムクの鎖を切っておやりよう」
お角は気がついて高いところから叫んだけれども、組み合い押し合いで、誰もそれに応ずるものがありません。
猛犬ムク! お角もよくその猛犬であることは知っています。ムクが吼えると、牛や馬までが竦んでしまったこともこの道中で実見しました。
ムクが通ると、街道のいずれの犬も尾を捲いて軒の下へ隠れてしまったことも知っていました。桂川筋で一座の女が一人、橋を渡るとて誤って川へ落ちて押流された時、あれよあれよと騒ぐ人を駈け抜いて、ムクは水中へ飛び入り、着物の襟をくわえて難なく岸へ飛び上ったことも実見しています。旅芸人に因縁をつけたがる雲助や破落戸の類が、強い面をしてやって来た時にムクがいて、じっとその面を見ながら傍へ寄って行くと、雲助や破落漢の啖呵が慄えてものにならなかったことも再三あるのを心得ていました。猛犬ムクは、第一にお君にとって忠実な家来であると共に、この一行にとっては、二つとなき勇敢なる護衛者であったことを、お角は今この場合において思い出さないわけにはゆきません。