후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,112자 · 362화면
さりとて人命には露ほどの怪我はなく、犠牲になったものと言えば火鉢の薬鑵があるのみです。けれどもたとえ、小銃の弾丸一発といえども、在るべからざるところに在り、発すべからざるところに発したのは、どうしても由々しき出来事といわねばならぬ。
この出来事のために、集まっている人々の日頃の嗜みというものが、露骨に現わされたことは、一種の試験といえば試験のようなものです。前に言ったような余裕を見せたのは、さすがに見苦しくもありませんでしたが、中には正銘に狼狽して四つん這いの形になった者もないではありません。殊に道庵先生の如きは、たしかにそれまで居眠りをしていたものと見えて、その響きが起るや否や脆くもひっくり返り、それも一つで済むのを、三ツ四ツ一度に宙返りをして、廊下の隅へころがり出して腰を抜かした形などは醜態です。最初に警告を与えた弁信法師は、爆発起ると見るや衣の袖に頭を包んで、その場に突伏してしまいました。
見上げたのは、木崎原の一曲を弾じている琵琶の老手で、この不時の出来事のために、撥の捌きが少しも狂わず、歌いかけた歌の詞に滞りがあるでもありません。大風の吹き去ったあとの枯野に端坐している心持で、従容としてその一曲を弾じつづけている形は、見事というべきものです。