후리가나로 읽는 일본 고전
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だいきょしほうでん
太虚司法伝
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 太虚司法伝(だいきょしほうでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,847자 · 16화면
大異は壇の上へ飛びあがって、その仏像の背後へ往った。仏像の背には人の入れるような穴が鑿ってあった。大異は身を屈めてその中へ這い込んで往った。
その穴は仏像の腹の所で拡がっていて、体を置くにはちょうどよかった。大異はここにおれば大丈夫だろうと思って、やや安心しながら穴の口へ注意していた。と、仏像の腹を外から木のような物で叩く音がした。
「あいつは、つかまえようとしてもつかまえられないが、俺はつかまえようともしないのに、むこうからつかまりにきたぞ」
それは仏像が両手で腹つづみを拍って嘲笑っているのであった。
「今晩は好い点心にありついた、斎はいらないぞ」
仏像は背延びをするようにしてのろりのろりと歩きだしたが、十足ばかり往ったところで閾に礙えられたようにひっくり返って大きな音をさした。仏像はそれがために砕けてばらばらになって、大異は外へ放り出されてしまった。大異は驚いて起きあがるなり、夜叉がそのあたりにいはしないかと思って見まわした。しかし、夜叉の姿はそのあたりに見えなかった。夜叉は仏の威光に恐れて寺の中などへこないだろうかと思った。
大異は夜叉の見ていない所から逃げようと思って、そこを離れようとしたが、自分を弄んだために禍を※った仏像のことを思いだしたので、ちょっとそれを見返って言った。