후리가나로 읽는 일본 고전
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きじゅつこうあんぎょう
奇術考案業
長谷川 伸
長谷川 伸의 奇術考案業(きじゅつこうあんぎょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,145자 · 9화면
さあ、そこでだ。と弥兵衛が考えたのは、早くいえば詐欺の方法であった。まず債権者が先手を打って差押えとやってくる。よろしいさあ封印をなさるがいいと、気の悪い執達吏に快く封印をさせる。無論、先方は金庫にもべたりと糊づけの封印をする、されてもこっちはケロリとしている。さすがあの人は度胸がいいと後で噂に出るだろうが、そんな外聞見栄を望んでいるのは、種と仕掛けがあったなら、びくともせずにいられるのが不思議ではない。
弥兵衛の考案は、それからはじまった。というのは、封印を施された金庫の中から、仕舞い込んである有価証券、さては書類を自由自在に、出しもされれば入れもされる、そうすれば封印を何十枚貼られたところで、びくともすることはない筈である。そこを考えたのである。
そういう方面の才能が、天から与えられていた弥兵衛だったのだ。考えつづけて五日目に、横手を摺って、
「出来たッ」
と、凱歌をあげたものである。その考案は――詳しくは遠慮するが――頗る巧妙にされたもので、これならば金庫であることに相違なし、一点の疑いを起させる余地もないほど、叩いても窺いても変ったところが少しもない。