후리가나로 읽는 일본 고전
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,954자 · 24화면
此方は居職で華奢な綾麿一人、向うは達者で駈引上手で荒っぽい古金屋が五六人、素より相手になる筈もなく、後ろから追いすがる者の手に捕まるか、前に待っている仲間の手に陥ちるか、二つに一つは最早避けようの無い運命だったのです。
「わッ、野郎」
「待ちやがれッ」
足を縮ませるような、威嚇の声が、前うしろから乱れ飛びます。
追う者と待つ者の手が、綾麿の身に遅速なく届こうとした一瞬でした。観音像を抱いた儘の綾麿は、何の躊躇もなく右へそれて、ザンブとばかり大川へ飛込んでしまったのです。
羊羹色ながら、羽織も袴も着けたままですが、幸いに綾麿は泳ぎを心得て居りました。その上運の良いことに、抱いた仏像は枯れ切った檜で、浮標よりも有効に、綾麿の身体を水上に支えてくれます。
「あッ、畜生ッ、飛込みやがった」
追手の古金屋達は、岸に立って騒ぐばかり。潰しで買った仏像を取返しに、大川へ飛込むほどの気力もありません。
「船だ、船だ」
気のきいたのが、右往左往しましたが、ここからは竹屋の渡しも遠く、意地悪く手軽に借りられそうな船もありません。月影を乱して、大川の河心に泳ぎ去る綾麿の姿を眺めながら、古金屋達は冷罵熱罵を投げかけ投げかけ吾妻橋の上まで追いすがりましたが、それから先はどうすることも出来なかったのです。