후리가나로 읽는 일본 고전
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,195자 · 22화면
私の発見した手紙は、ひどく鋏を入れられ、日記は滅茶滅茶に抹殺されて居りますが、残った片言隻句を綴って、いろいろの事情に思い合せると、志津子夫人と千束守の二人は、夫の嫉妬や外界のいろいろの圧迫に堪え兼ねて、到頭「相対死」の道を選んだことが、実によくわかるのでした。
手紙や日記を、斯んなに切ったり消したりしたのは、多分夫喜田川三郎氏が、自分の不名誉を救うために、或は甚だ忠実でなかった妻の志津子夫人に情死の汚名を被せないために、二人が死んだ後で、この通り手紙や日記を切り刻んだものでしょう。その衷情はまことに慰むべきですが、真理のために――いや、人間の醜さを反省するために、矢張り真相として其儘世に伝える義務があると私は信ずるのです。
この日記と手紙は、喜田川氏の旧居を手に入れて、私の住居にするため、いろいろ改築をして居るうちに、長押の裏、古机の抽斗、額の後ろなどから出て来たものです。十年前の記録を、今頃発見するのはあまりに遅いようですが、私の手に入ってから十年間、喜田川氏の旧居は錠をおろしたままで、住む人もなく荒されて居たためでした。
この記録を発見すると同時に、私は喜田川志津子夫人と千束守の死に就て、異常に興味を感じ、十年前の新聞や雑誌、喜田川氏の知人などを捜し出して、これだけのことを調べ上げました。