후리가나로 읽는 일본 고전
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おくのうみ
奥の海
久生 十蘭
久生 十蘭의 奥の海(おくのうみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,005자 · 26화면
細面の頬がこけ、口が尖り、薄手な口髯をさげている。戯画に描く公卿面にそのままで、いっこうに威儀がなく、気魄薄げな人体であった。冠もつけず、円座のうえに足を組んで坐ると、五音をはずしたうつろな声で、いきなりこんなことをいった。
「あまりの飢さに、塗篭へ入って寝てみたが、夢ばかり見て眠りにならぬよ」
金十郎は廊ノ間の床に手を突いて平伏していると、中納言はいよいよおぼろな音声で、
「夢といっても、たのしいような夢ではありえない。さる年の飢饉に、花山院の門跡は、どうせ死ぬものならと、経文を臼に搗き、糊にして食ろうて腹をふくらし、あら、うれしや、と笑うて死んだげな。それが夢に出てくるのよ。躬どもらの行末も、こうぞとおしえるように、枯木のように痩せ細った手で、餓鬼腹を叩いて見せるというわ」
中納言の掛言は、米を運んできて、舅の口を養えということなのだと察したので、一年先の切米を社倉から借りだし、上の方が面目を失わぬよう、夜闇にまぎれて二升ほどずつ運んでいるうちに、木の実が枝から離れ落ちるように、自然に知嘉姫との縁がまとまった。
御菜の油屋が名親になって、ちかという凡下の娘に成り変り、至極無造作に金十郎の長屋におさまった。