후리가나로 읽는 일본 고전
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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
宮本 百合子의 婦人と文学(ふじんとぶんがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 180,792자 · 351화면
そこに通ったのも二年ばかりで、またやめて、翌十七年に、和田重雄という父の知人である歌人の門に入った。十三の少女は、
いづくにかしるしの糸はつけつらむ
年々来鳴くつばくらめかな
という、生気のある愛くるしい歌をつくったりしている。そこに通ったのも僅か半年で、その後は家で専心裁縫の稽古や家の手伝をしなければならなかった。
両親とも甲斐のひとで、母の瀧子というひとは稲葉家に仕えたことのある婦人であった。父の樋口則義は甲斐の大藤村の農家に生れたのだが、侍になりたい志を立てて江戸にのぼり、則義は菊池という旗本の家に入り、後は、八丁堀の与力浅井の株を買って幕臣になったという閲歴である。今井邦子の「樋口一葉」に、「則義氏は旗本菊池家に、母君は同じく稲葉家に仕えたが」とかかれているところをみれば、甲州のひとたちらしく辛棒のつよいこの夫妻は、夫婦ともどもに江戸に出て、江戸へ出た上は別れ別れに旗本だの士族だのの家に入って、侍になりたいという素志を貫徹したのであったらしい。
そういう経歴の瀧子が、夏子の母であったということは、一葉の一生を通じての娘としての苦衷と思いあわせ、私たちの記憶に刻まれる一事である。