일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あんごのしんにほんちり

安吾の新日本地理

坂口 安吾

坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,150자 · 28화면

아오조라 문고

和田金の牛肉はたしかにうまい。けれども、そう神秘的にうまいわけではない。ロースのカノコシボリの光沢が美しいのにくらべれば、牛肉の味自体は光沢だけのものはない。特別頭ぬけてうまいわけではないのだ。一般の牛に比べれば開きはあるが、神戸牛にくらべれば、そう開きのあるものではない。当然そうあるべきことである。教祖のゴセンタクがどうあろうとも、牛肉自体は料理の素材ではあるが、料理そのものではない。食べ物は料理に至って職人の腕の相違というものも現れ、大きな開きもついてくるかも知れないが、素材自体の開きなど、一級品同志になれば知れたものであろう。目くじら立てて、あげつろう種類のものではなかろうではないか。しかし、教祖のゴセンタクほど神秘的ではないが、うまいことは確かである。伊東市ではロクな牛肉が手に入らぬから、たしかに松阪牛にはタンノウした。それに特別手がけて肥育した牛肉は消化がよいのか、もたれなかった。牛の飲んだビールやサイダーが私の胃袋を愛撫してくれるのかも知れない。まことに伊勢は神国である。

和田金でひさぐ牛、一ヶ月三十五頭ぐらいの由。予約がないと席がないほど千客万来のところへ、店頭で牛肉を買っている人々のごった返す混雑といったらないのである。