후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,044자 · 38화면
生徒たちは稽古の往復に掲示場にたたずむ。稽古の日割りだの、何々さんと何々さんは何月何日の黒ン坊大会の審査員になって下さい、というのだの、税金の相談は事務所へ、という火の用心の札の同類のようなのもあった。それを見るまでは宝塚の生徒の税金のことまでは考え及んでいなかったが、なるほど彼女らは相当の多額納税者であるに相違ない。当節はどこに生々しい血痕のような黒旗のようなものが掲げられているか分らないから、女の学校の掲示場をのぞくにも真剣勝負の心構えを忘れると、胸をさしぬかれてしまう。セチ辛く、風雲ただならぬ世の中である。もっとも、ここの掲示場にたたずむ生徒たちは、たのしそうである。戦場の難民が占領軍の掲示場にたたずんでいるような全身に赤々と千里の斜陽をあびてる面影は全然ない。どこの世の掲示場にも拭いきれない生活の重さ暗さがジットリ影を落しているものであるが、ここだけは税金の相談は事務所へ、だの、火の用心だのと一応世間並のSOSがはりだされていても、拭いきれない生活の暗さや、背にしがみついた人生の重さは、たしかにないね。この掲示場へウカツにもたたずんだ私だけがただ一人の難民で、彼女らぐらい保護になれたアンチ難民的存在もないような気がした。