후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,723자 · 45화면
と、中野君は姿を消した。
私は目をみはり、耳をそばだてた。私の心はすでにひきこまれていた。その笛の音に。なんという単調な、そしておよそ獅子の舞にふさわしくない物悲しい笛の音だろう。笛を吹いているのは六名のお爺さんであった。
吉野の吉水院に後醍醐天皇御愛用のコマ笛があったが、それは色々と飾りのついた笛で、第一木製ではなかったような気がする。ここのはオソマツな横笛であるが、笛本来の音のせいか、音律のせいか、遠くはるばるとハラワタにしみるような悲しさ切なさである。
日本の音律に一番これによく似たものが、ただ一ツだけあるようだ。それは子供達の、
「も・う・い・い・かアーい」
「まア・だ・だ・よーオ」
という隠れんぼの声だ。それを遠く木魂にしてきくと、この笛の単調な繰り返しに、かなり似るようである。すぐ耳もとで笛をききながら、タソガレの山中はるかにカナカナをきくような遠さを覚えた。
獅子は舞いながら太鼓をうつ。この太鼓が笛の悲しさに甚しくツリアイがとれている。その響きが一間か一間半ぐらいで、急にとぎれて吸われて、なくなるような、厚い布地をかぶせて太鼓をうってるような鈍い音。