후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごこうだん
安吾巷談
坂口 安吾의 安吾巷談(あんごこうだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,128자 · 23화면
戦国乱世の風潮である。
同じ乱世の泥棒でも、石川五右衛門が愛されるのは、彼の大義名分によることではなくて、忍術のせいだ。猿飛佐助も霧隠才蔵も人を殺す必要がないのである。彼らは人をねむらせて頭の毛を剃るようなイタズラをやるが、いつでも睡らせることができるから、殺す必要はない。殺さなければならないのは、敵方の大将だけだが、因果なことに、殺すべき相手に限って身に威厳がそなわり、術が破れて、近づくことが出来ないのである。
人間の空想にも限界があるから面白い。天を駈ける忍術も、万能ではあり得ないのである。自ら善なるもののみしか、万能ではあり得ない。サタンが万能では、悪きわまるところなく、物語に必要な救いというものがないからである。
しかし、忍術物語というものが万人に愛されてきた理由の大いなるものは、人間の胸底にひそむ「無邪気なる悪」に対する憧憬だ。それは又、だまされる快感と一脈通じるものであり、あるいは表裏をなすものでもある。
人間がみんな聖人になり、この世に悪というものがなくなったら幸福だろうと思うのは、茶飲み話しの空想としては結構であるが、大マジメな論議としては、正当なものではないだろう。