일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あんごこうだん

安吾巷談

坂口 安吾

坂口 安吾의 安吾巷談(あんごこうだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,016자 · 48화면

아오조라 문고

いつ我々が同じ事件にまきこまれるか知れないという心細さを感じるのである。

上野は異国だ。我々が棲み生活する国から甚大の距離がある。何千里あるか知れないが、そこは完全な異国なのだ。

天下の弥次馬をもって任じる私が、終戦以来一度も上野を訪れたことがないとはフシギだが、しかし私が見た上野はブラリとでかけて見聞できる上野ではない。ピストルをもった警官が案内してくれなければ、踏みこむことのできないジャングルなのである。

私は上野を思うたびに、いつも思いだす人物があった。

むかし、銀座裏に千代梅という飲み屋があった。ここにヤマさんという美少年の居候がいた。年は十八。左団次のお弟子の女形で、オヤマという言葉からヤマさんと愛称されていたが、水もしたたるような美少年だ。当人は自分を女優という。私は女優です、と云うのである。男の服装はしているが、心はまったく女であった。

私はこのヤマさんに惚れられて、三年間、執念深くつきまとわれた。私は錯倒した性慾には無縁で、つきまとわれて困るばかりだ。

しかしヤマさんという人物は実に愛すべき美徳をそなえ、歌舞伎という古い伝統の中で躾けられてきたのだから、義理人情にあつく、タシナミ深く、かりそめにもハシタないフルマイを見せない。