일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면

아오조라 문고

ここには、上州と信州の国境を示す石の標柱が、嶺から平野へわたる風のなかに立っていた。その標柱の礎石の前の小さな石塊を背に分けて、東側に降った雨は遠く流れて太平洋へ、西側へ降った雨の粒は日本海へ、おのおのの行方を語るのであろう。路傍の赤土の面を掘った細い糸ほどの溝の跡が二本。一本は利根川を指し、一本は信濃川を慕い、思い思いの方を向いて互いに運命の坂を下っている。

私らはそこから行手をみてびっくりした。顧みれば、下野の男体山から赤城、榛名、妙義、荒船、秩父山かけて大きく包まれている関東平野は、もう浅春の薄い霞の帷をおろして、遠く房州の方へ煙っているというのに、信濃の国の方は青銀色に冴えた一面の雪野原であった。

山の中腹の、浅い雪からは、枯芒が穂だけ出している。吹きだまりの深い雪には落葉松が腰まで埋めている。大浅間の頂は、真っ黒な雪雲に掩われて窺い知れないが、南佐久の遙かな空には真っ白な蓼科山が鋭い線を描いて、高く天界を截っていた。

凄寒を催す眺めだ。この雲行ならば、また雪が飛んでくるかも知れない。風が、痛い。長野まではまだ道のりの半分もきていないのだけれど、何の防寒の用意もなく懐も冷たい私たちは、これから先、この積雪のなかを、踏み分け踏み分け行かねばならないのか。