후리가나로 읽는 일본 고전
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면
石畳でこつこつと傘の雪を払い、袂の雪を叩いて堂の中へ入ってから何れも髪の露を掻きあげた。
『案じたものでもなかった』
四人は、にっことした。
これは、水戸浪士増子金八、杉山彌一郎、広木松之助、大関和七郎などであったのである。さきほど、役僧からお札を受けたのは、大関であった。
絵馬堂の軒下には、見晴らしの茶見世で使う床机が積み重ねてあった。それを堂内へ持ち込んで具合のいいところへ腰かけた。
『ここなら大丈夫だ。だがもう、みんなもやってきそうなものだな』
大丈夫だ、とはいいながら、それでも四人はあたりを気にしながら坂の方を見まわしていると間もなく足駄の雪を蹴りながら傘を担いで登ってくる男を発見した。剣術の竹胴をつけ、伊賀袴をはいて手甲をかけている。これは、有村次左衛門であった。
『遅くなってすまぬ』
静かに、落ちついた声である。
ところへ、堂の前を山番の八蔵という親爺が通りかかって、
『おはようございます』
と会釈して行き過ぎようとしたのを、大関が呼び止めて、
『おっさん、済まないが煙草盆と茶を貰いたいがな。それと、硯箱があれば面倒だろうが拝借したい』
爺さんは茶と煙草盆を運んでおき、さらに出直して塵だらけの硯箱を持ってきた。