일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면

아오조라 문고

やはり午前二時頃には海岸へ向かって出発した。ところで、その時刻に遅れて出発した者があると、それを指してあいつは物の役にたたぬと罵ったのだ。

武士は、磯の巖上に立って竿を操ると戦場にある気分となった。ある朝、鈴木栄之助という若い藩士が、同僚に一足おくれて賀茂の港の海岸へ駆けつけると、栄之助がいつも釣り場としている岩の上に、他の士が熱心に釣っていた。栄之助は、これを見て少しむっとした。そこでわが輩の釣り場に先陣をつけるとは、ちか頃不都合ではないかと、うしろから呼ばわった。誰かと思えば鈴木か、おくれて参ってなに申すと、先着の釣り士がやり返したのであった。

『たとえ、おくれて参ったからとて、ひとの釣り場へ無断で足を踏み入れるとは、釣りの仁義をわきまえぬ不束者――そこ退け!』

『なにを小癪な――勢揃いにおくれたとあっては主侯に相済むまい。切腹ものじゃ』

先着の士は栄之助を罵倒して譲らない。

『たわけっ!』

栄之助の割れるような大声が、暁の海に響いた。と、同時に栄之助は伸べ竿を巖上に放りだすと脇差を抜いて振りかぶった。冴えた刀身に、折りから日本海の波近く傾いた下弦の秋月がきらめいた。