후리가나로 읽는 일본 고전
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면
僕のところなら直ぐなおしてやるのだが』とこう独り言をいった。
私はその言葉を興味をもって聞いた。それは桃水君と寅千代とを並べて考えたからである。そして直ちに桃水君が神楽坂の寅千代の家へ行って、女に唄わせながら、そこはこう唄わねば文句の意味が現われないなどと頻りに訂正を試みているところを想像してみた。暫くすると桃水君はフイと帰った。歌沢が終われば後のものにはもう用がないという風に。
ふと二階のボックスを見ると、吉備舞の連中が十二、三人ドガドガと入って来た。何れも立ったり座ったりしている中に、先刻神路山を舞った原杉多喜子のベールを頚に巻いて下げ髪にした無邪気な姿が人々の注目を惹いた。梓弓の正時を舞った森八重子は可愛らしく五十ばかりの女の人に抱かれて、にこにこしながら何事か喋っている。
『君、今夜は伊達男が来ていなそうだね』と突然、生駒君が私に言う。
『そう、僕も先刻からあちこち眼を配っているが見えないようだ』
『あの人の姿を見ないと物足らぬ気持ちがする』
実際、伊達男爵は美音会には婦人同伴で必ず欠かしたことがない。それが今夜に限って来ておらぬ。不思議であった。