후리가나로 읽는 일본 고전
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면
つまり、六尺樽一本近くだ。この金で、国債でも買って置いたならなど、死んだ児の齢を数えるように、熟柿に似た呼吸を吹き合う。
それは、私の十七歳の初夏であったと思う。赤城山へ登山して、地蔵岳から鍬柄峠の方へ続くあの広い牧場で淡紅の馬つつじを眺め、帰り路は湯の沢の渓を下山した。塚原卜伝と真庭念流の小天狗と木剣を交えた三夜沢の赤城神社を参拝してから、関東の大侠大前田英五郎の墓のある大胡町へ泊まった。宿屋は、伊勢屋というのであったと記憶している。
台洋灯の下へ、女中が晩の膳を運んできた。その時、何ということなしに、ふと、
――酒を飲んでみようか――
と考えた。日ごろ、父がおいしそうに飲む姿を眺めていると、父は酔眼の眦を垂れて私に、
『お前も一杯やってみるか』
などとからかうことがある。ところが、これを母がすかさず聞きつけて、
『とんでもない――酒は子供の頂くものじゃない』
と、父と私をきびしくたしなめたことが幾度かあった。
だから私は、酒が飲みたいなどと一度も思ったことがなかった。けれど、こうしてひとりで旅の宿に夜を迎え、高足膳に対してみると、一室の主人公といったような気持ちがする。