후리가나로 읽는 일본 고전
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いえ
家
島崎 藤村
島崎 藤村의 家(いえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 126,748자 · 254화면
幼少の時父に別れた三吉は、こういう老人が訪ねて来たことを珍しく嬉しく思った。父というものは彼がよく知らないようなもので有った。三吉が何時までも亡くなった忠寛を畏れているように、お雪やお福は又、この老人を畏れた。
名倉の父は二週間ばかり逗留して、東京の学校の方へ帰るお福を送りながら、一緒に三吉の家を発って行った。この老人は橋本の姉や小泉の兄の方に無いようなものを後へ残して行った。そして、亡くなった忠寛が手本を残しておいた家の外に、全く別の技師が全く別の意匠で作った家もある、ということを三吉に思わせた。「こんな書籍を並べて置いたって、売ると成れば紙屑の値段だ」――こう言うほど商人気質の父ではあったが、しかし三吉はこの老人の豪健な気象を認めずにはいられなかった。
翌年の五月には、三吉夫婦はお房という女の児の親であった。書生は最早居なかった。手の無い家のことで、お雪は七夜の翌日から起きて、子供の襁褓を洗った。その年の初夏ほど、三吉も寂しい旅情を経験したことは無かった。奥の庭には古い林檎の樹があって、軒に近い枝からは可憐の花が垂下った。蜜蜂も来て楽しい羽の音をさせた。