후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
正岡 容의 寄席囃子 正岡容寄席随筆集(ずいひつ よせばやし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,259자 · 222화면
とうとうそのまま高座を下りたが、悪寒はする、からだは汗ばむ、橘之助、何十年と三味線をひいて、こんな例は一度もない。昔何とかいう三味線ひきが、品川であそんでいて、絃の音色で安政の地震を予覚したという話さえ思い出して、これは、遠からず何か異変があるのじゃないかとさえ、心、ふるえた。
そうして、いやいやながら顔だけ出そうと、ほかの席はすっかりぬいて、トリの恵智十へ入るとたちまち今度はスッと胸が晴れた、そういってもいつもよりかえってほのぼのとすがすがとなって弾いた、うたった。うたった、弾いた。いつもの五倍もはしゃぎにはしゃいで、さて、そのあくる日、湯島の家で昼風呂につかっているといとけたたましい号外の声。
はてなと小首をかしげる間もなくその号外は、
「伊藤公ハルピン駅にて暗殺さる」
云々。
はじめて心に橘之助、昨夜の怪異が深く深く肯かれたというのであるがあたしは橘之助の、あの狸のような顔が、何かその時もの凄いありったけに思えて、ぞっと水でも浴びたここちに、四谷の通りへ駆けて出ると、ここでも秋の夕の小寒い灯が何がなし、あたしの瞳にいぶかしく、うつった。
これが、思い出の、そうして、第四。