후리가나로 읽는 일본 고전
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さむいひのこと
寒い日のこと
小川 未明
小川 未明의 寒い日のこと(さむいひのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,585자 · 6화면
」といったのでした。
そんなことも知らず、お嬢さんは、木枯らしの吹く晩に、窓のところで、ピアノを弾いていました。ストーブのそばには、土を破ったばかりのヒヤシンスの鉢植えが置いてありました。この草がすがすがしい空色の花を咲くときは、春になるのでした。
冬と春とが、隣り合わせになって、もう間近にきていました。月日の流れは、このように速かったのでした。いま、お嬢さんは、無心でピアノを弾いていましたが、ふと手を休めて外をながめますと、雲切れのした空に、ぴかぴかと光る星が、葉の落ちつくした、林のいただきに見えたのでした。そして庭に咲いた山茶花が、ガラス窓をとおして、へやから射す燈火に、ほんのりと白く浮いていました。
「そう、そう、今朝、拾って、逃がしてやったとんぼは、今夜も、寒いが、どうしたでしょう……。」と、お嬢さんは思いました。
この世の中にいるときは、西から、東へと飛んで歩いたとんぼの羽は、もはや、いらなくなった。それを嵐は、おもしろそうに、もてあそんでいたのです。
そのうちに、嵐は、だんだんきちがいじみてきた。しまいに羽を捲き上げて、空中を落ち葉といっしょに、吹き飛ばしたのでした。