후리가나로 읽는 일본 고전
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第一巻(どんぐり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,161자 · 412화면
磁石とコンパスでこれらの雲のおおよその方角と高度を測って、そして雲の高さを仮定して算出したその位置を地図の上に当たってみると、西は甲武信岳から富士箱根や伊豆の連山の上にかかった雲を一つ一つ指摘する事ができた。箱根の峠を越した後再び丹沢山大山の影響で吹き上がる風はねずみ色の厚みのある雲をかもしてそれが旗のように斜めになびいていた。南のほうには相模半島から房総半島の山々の影響もそれと認められるように思った。
高層の風が空中に描き出した関東の地形図を裏から見上げるのは不思議な見物であった。その雲の国に徂徠する天人の生活を夢想しながら、なおはるかな南の地平線をながめた時に私の目は予想しなかったある物にぶつかった。
それははるかなはるかな太平洋の上におおっている積雲の堤であった。典型的なもくもくと盛り上がったまるい頭を並べてすきまもなく並び立っていた。都会の上に広がる濁った空気を透して見るのでそれが妙な赤茶けたあたたかい色をしていた。それはもうどうしても冬の雲ではなくて、春から夏の空を飾るべきものであった。
庭の日かげはまだ霜柱に閉じられて、隣の栗の木のこずえには灰色の寒い風が揺れているのに南の沖のかなたからはもう桃色の春の雲がこっそり頭を出してのぞいているのであった。