후리가나로 읽는 일본 고전
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第一巻(どんぐり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,161자 · 412화면
個人の一挙一動は寒天のような濃厚な媒質を透して伝播するのである。
反応を要求しない親切ならば受けてもそれほど恐ろしくないが、田舎の人の質樸さと正直さはそのような投げやりな事は許容しない。それでこれらの人々から受けた親切は一々明細に記録しておいて、気長にそしてなしくずしにこれを償却しなければならないのである。
そこへ行くとさすがに都会の人の冷淡さと薄情さはサッパリしていて気持ちがいい。大雨の中を頭からぬれひたって銀座通りを歩いていてもだれもとがめる人もなければ、よけいな心配をする人もない。万一受けた親切の償却も簡易な方法で行なわれる。
それだから一見閑静な田舎に住まっていては、とても一生懸命な自分の仕事に没頭しているわけにはいかない。それには都会の「人間の砂漠」の中がいちばん都合がいい。田舎では草も木も石も人間くさい呼吸をして四方から私に話しかけ私に取りすがるが、都会ではぎっしり詰まった満員電車の乗客でも川原の石ころどうしのように黙ってめいめいが自分の事を考えている。そのおかげで私は電車の中で難解の書物をゆっくり落ち付いて読みふける事ができる。宅にいれば子供や老人という代表的田舎者がいるので困るが、電車の中ばかりは全く閑静である。