후리가나로 읽는 일본 고전
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第一巻(どんぐり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,161자 · 412화면
大きな厚い花弁が三つ四つ開いたばかりで、とうとう開ききらずに朽ちてしまうのか、もう少ししなびかかったようである。
蟻が二三匹たかっている。
俊坊が急に泣き出したからのぞいて見ると蚊帳の中にすわって手足を投げ出して泣いている。
勝手から妻が飛んでくる。
坊は牛乳のびんを、投げ出した膝の上で自分にかかえて乳首から息もつかずごくごく飲む。
涙でくしゃくしゃになった目で両親の顔を等分にながめながら飲んでいる。
飲んでしまうとまた思い出したように泣き出す。
まだ目がさめきらぬと見える。
妻は俊坊をおぶって縁側に立つ。
「芭蕉の花、坊や芭蕉の花が咲きましたよ、それ、大きな花でしょう、実がなりますよ、あの実は食べられないかしら。
」坊は泣きやんで芭蕉の花をさして「モヽモヽ」という。
「芭蕉は花が咲くとそれきり枯れてしまうっておとうちゃま、ほんとう?」「そうよ、だが人間は花が咲かないでも死んでしまうね」といったら妻は「マア」といったきり背をゆすぶっている。
坊がまねをして「マア」という。
二人で笑ったら坊もいっしょに笑った。
そしてまた芭蕉の花をさして「モヽモヽ」といった。
六 野ばら