후리가나로 읽는 일본 고전
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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 207,099자 · 419화면
ある日乗り合わせた丸の内の電車で、向かい側に腰をかけた中年の男女二人連れがあった。男は洋服を着た魚屋さんとでもいった風体であり、女はその近所の八百屋のおかみさんとでも思われる人がらであった。しかるに二人の話し合っている姿態から顔の表情に至っては全く日本人離れがしている。周囲のおおぜいの乗客はたった今墓場から出て来たような表情であるのに、この二人だけは実に生き生きとしてさも愉快そうに応答している。それが夫婦でもなくもちろん情人でもなく、きわめて平凡なるビジネスだけの関係らしく見えていて、そうしてそれがアメリカの魚屋さんとアメリカの八百屋さんのように見えるのが不思議である。
二人ともにあるいは昔からの活動写真、近ごろの発声映画のファンででもあるかとも考えてみた。そうとでも仮定しなければ他に説明のしかたのないほどに、あく抜けのしたヤンキータイプを見せていた。
喫茶店などで見受ける若い男女に活動仕込みの表情姿態を見るのは怪しむまでもないが、これが四十前後の堅気な男女にまで波及して来たのだとすると、これはかなり容易ならぬ事かもしれない。
天平時代の日本の都の男女はやはりこういうふうにして唐や新羅のタイプに化して行ったのかもしれない。