일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あひるとさる

寺田寅彦随筆集 第五巻

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면

아오조라 문고

何か不安な予感のようなものがそこいらじゅうに動いているようであった。

いつのまにかどこかの離れ島に渡っていた。海を隔ててはるかの向こうに群青色の山々が異常に高くそびえ連なっている。山々の中腹以下は黄色に代赭をくま取った雲霧に隠れて見えない。すべてが岩絵の具でかいた絵のように明るく美しい色彩をしている。もちろん土佐の山々だろうと思って、子供の時から見慣れたあの峰この峰を認識しようとするが、どうも様子がちがってそれらしいのがはっきりわからない。だんだん心細くなって来た。

昔の同窓で卒業後まもなく早世したS君に行き会った。昔のとおりの丸顔に昔のとおりのめがねをかけている。話をしかけたが、先方ではどうしても自分を思い出してくれない。他の同窓の名前を列挙してみても無効である。

浜べに近い、花崗石の岩盤でできた街路を歩いていると横手から妙な男が自分を目がけてやって来る。藁帽に麻の夏服を着ているのはいいが、鼻根から黒い布切れをだらりとたらして鼻から口のまわりをすっかり隠している。近づくと帽子を脱いで、その黒い鼻のヴェールを取りはずしはしたが、いっこう見覚えのない顔である。